MJの課題「小説装画を描く」
前回に引き続き、鳥羽亮氏の「剣客春秋ー里美の恋」を元に装画の練習です。
前の絵はバストショットで描いてみましたが、これは少し遠景で描いてみました。
タイトルデザインは友人でデザイナーのsaseさん、2パターンもデザインしてくれました!
どちらも好きなレイアウトで気にいっています。
女剣士、里美の立ちまわりの動きと風を感じさせるように 意識して描いてみました。
本のカバーには、下部に帯が巻かれるのですが、その帯を取るとコウモリが出てきます。
帯の下に何かを潜ませるって、効果があるような感じでわりと好きなんです。
今回のMJイラストレーションズの課題は「小説装画を描く」
鳥羽亮氏の「剣客春秋1ー里美の恋」をもとに装画練習です。
タイトルデザインはいつものように友人でMJの卒業生、caceさんにお願いしました。
caceさんはメチャメチャ忙しい仕事をしているのに、いつもありがとうございます!(しかも確定申告作業中なのに割り込んですみません)
千坂道場の主、千坂籐兵衛の娘で一刀流の達人である里美は、ならずものに絡まれていた若い浪人・彦四郎を助けた 縁で、淡い恋心を抱く。彦四郎も道場に通うようになるが、彼の出自には驚愕の事実が隠されていた・・・
チャンバラ活劇として立ち会いのシーンが視覚的で、その描写に引き込まれます。
題名からも分かるように著者は多分に池波正太郎の「剣客商売」を意識しているところがあるようで、解説によると「剣の持つスカッとする面白さと人情味あふれた庶民のドラマを合体させることで魅力の倍増を意図したわけである」とのこと。
2巻目の「剣客春秋2-女剣士ふたり」も読み終えましたが、10巻目まで読んでしまいそうだな―
最近の装画はバストショットというか結構アップで描いてあるものが多くなっている感じがします。
時代物は遠景を描いたものが多いのですが、たまに人物を大きく描いた装画があり目を惹きます。それで今回は人物を大きく描いてみました。
劇画風なイラストレーションも多くなって(私はこの傾向は時代の流れでも好きではないなぁ)装画も変わっていくのですね。
MJでの課題、小説挿絵の練習、第2作目です。
鳥羽亮氏の「剣客春秋」の第1巻目ー里美の恋、からです。
神田豊島町の道場主・千坂藤兵衛の娘・里美は一刀流の達人。この親子の周りで起きる事件をえがいています。
鳥羽亮氏の作品は「はぐれ長屋の用心棒」に続き2冊目ですが、この作者は立ち会いというか斬り合いの場面がとてもリアルです。
非常に眼に浮かびやすく、血が苦手な人はきついかもしれません。
しかしその分、真に迫っていて現実的でした。
女剣士に興味があったのとどう描けば女性に見えるのか楽しみながら描きました。
MJでの課題、小説挿絵の練習で、井上ひさし氏の「手鎖心中」の挿絵を描いてみました。
文庫本の裏表紙には次のように書かれています。
材木問屋の若旦那、栄次郎は絵草子の作者になりたいと死ぬほど願うあまり、自ら勘当や手鎖の刑を受け、果ては作りごとの心中を企むが、ばかばかしいことに命を懸け、茶番によって真実に迫ろうとする、戯作者の業を描いて、ユーモラスな中に凄みの漂う直木賞受賞作。
解説には昨年亡くなった中村勘三郎氏が書いていて、歌舞伎との関連も書かれていて彼らしく楽しくしかも深い解説です。これを読むと、もともとこの小説は、山東京伝の「江戸生艶気樺焼」(えどうまれうわきのかばやき)のパロディらしいですね。小説の文中にもそういうことがチラと書かれています。
そういうわけで、ちょっとユーモアの感じを出したかったんだけど、文字を入れたのが説明っぽいようだったかも。
上の絵は栄次郎の友人、やはり絵草子作者になりたいこの小説の語り手、与七。言葉をいじくらないと気のすまない業、性格の持ち主。
下の絵は、心中の真似をする栄次郎。洒落で真似ごとの心中なので、ちょっと余裕気味の笑いを入れてみました。
2013年、1月18日~21日まで佐久の実家に行って来ました。
晴れてはいても空気は異常に寒いなか、グリは玄関先の椅子の上で待っていてくれました。
ササミ1本、ウェットパウチ1袋完食後、貧血状態確認のためゆりかご動物病院へ行って来ましたが、数値は改善され安定しているとのことで本当に安心しました。
14日に降った雪がまだ25センチほど積もっており、雪を渡る風がホントに冷た~い!
昨年今頃来た時は雪は無く、庭木の剪定もかなりの種類と本数が出来ましたが、今回は無理かも。
ムクゲ20本位、ブルーベリーなどを雪の中剪定しました。
グリは食欲もあり、3日半の間だけど暖かい家の中を堪能していました。
夜はマイナス13度!だけど、部屋は石油ストーブ2台とホットカーペットに乗せた炬燵で東京の家より暖かでした。
姪に食器を送ったり去年の12月に採ったネギの残りなどを家に送り、所用を済ませた後は常に膝に乗りたがるグリとともに過ごしました。
帰る日、膝で寝ていたグリを起こして外に出し、本当に本当に後ろ髪をひかれながら帰りました。
この雪は根雪になるんだろうなぁ、今日も佐久は雪らしい・・
ところで、グリは上の牙が既に無く舌がいつも出っぱなしなのですが、舌の出方がいつもと違うのでよくよく見たらナント!!左下の牙が抜けていたー!
とうとう牙は1本に。だんだん年取ってきたなぁ・・・
MJでの課題「男と女」のもう一枚です。
昨年12月発売の新潮文庫、早見俊著「茜空の誓い」ーやったる侍涼乃進奮闘剣2ーで実際に採用されたのは仇討の絵でしたが、その時にラフで描いた絵の一枚がこれ。
ラフでのイメージは全体が茜色で梅の花ではなく紅葉で、また下部にも紅葉を描いていましたがシンプルにしたかったので省いてみました。
地面を青緑にしたので爽やかさが出たでしょうか。
今日成人の日は朝の雨からみぞれ、雪に変わり風も強く寒い一日になりそうです。
積もりそうな気配です・・・
MJの課題「男と女」です。
落語の「紺屋高尾」をイメージして描いてみました。
シンプルに仕上げたかったので花魁の高尾太夫と、高尾に惚れる染物職人の久蔵の二人だけを描いてみたけれど、バックのグレーの色が良くなかったかな。
これと同じように花魁に実があったという「幾代餅」という噺もあります。
新潮社、新潮文庫で、橋本治・著「リア家の人々」のカバー装画を描きました。
作者は、橋本治さん!です。
橋本治氏は東大在学中の駒場祭のポスターで
「とめてくれるな おっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」
というコピーとイラストレーションを描き注目されました。
現在は小説家、評論家、随筆家として活躍されているのは皆様ご存じの通りです。
橋本氏と私は同じ年齢なので、小説を読み終わった時には、この家族が生きてきた昭和を私も追体験するような感覚になりました。
ガンで妻を亡くした官僚の父、残された三人の娘。
平凡な家族の歳月を「リア王」の孤独と日本の近代史に重ね、昭和の姿を映す傑作長編小説です。
この小説は昭和を知るうえでも意味深い小説だと思います。
私のホームページに載せていた昭和メモリーズの中の一枚がこの小説に合うということで、装幀部の二宮由希子さんからご連絡を頂きました。
打ち合わせの時すでにその絵にタイトルを載せた状態のものを見せて下さり、この絵のイメージそのままでという事でしたので、小説の内容に合わせて三姉妹にすることや家の変更、タイトル位置の考慮、二宮さんのアイデアで父親の存在を表現するなど描き直しすることになりました。
「リア家の人々」2012年12月26日発売、2013年1月新刊です。
2013年1月1日佐久の実家に、K山さんご一家がグリの様子を見に行って下さいました。
(写真をお借りしました。無断ですみません)
グリに手描きの年賀状!おせちのササミ! グリよかったねーー
茹でたササミ3本とカリカリも食べ(どんだけ食いしん坊?)元気だったそうです。
K山さんから「とても元気で今年も頑張れそうです。安心しました」とメールを頂きました。
K山さんちでは6匹の猫ちゃんがいるのですが、18歳の格乃進(カク君)と礼音(レオン君)の写真も送ってくれました。ウサギの帽子が可愛いですね!似合ってる~
K山さん、昨年は本当にお世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2013年、明けましておめでとうございます。
昨年は文庫本のカバー装画を3点、手掛ける事が出来ました。
3点目はまだ載せていないのですが、何日かしたらこのブログにもアップします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。