MJの課題「小説装画」で描いたものです。
大好きな藤沢周平の江戸の人情を書いた短編です。
修正した下の絵は、女性の着物を強くして注目させ、柳の色を濃くして遠近感を出すようにしました。
両親を早くに亡くしたあと、怪我をした兄は鳶職から日傭とりに妹は女郎に売られた兄妹。妹は餝職をしているという兄の言葉を信じ、兄の無心にいつもお金を渡していたが、兄が嘘をついていることが分かり・・・
藤沢周平氏の「時代小説の可能性」のエッセイの中で、人情についてこう書いています。
「時代や状況を越えて人間が人間である限り不変なものが存在する。この不変なものを時代小説で慣用的にいう人情という言葉で呼んでもいい。(中略)人情紙のごとしと言われた不人情、人生の酷薄な一面ものこらず内にたくしこんだ、普遍的な人間感情の在りようだといえば、人情というものが、今日的状況の中にもちゃんと息づいていることに気づかれると思う」
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