時代物イラストレーション、藤沢周平「闇討ち」から

中老の目に自分の目を近付けると、闇討ちは、と興津はささやいた。「かような具合にやるとよろしゅうござる」
中老の目に自分の目を近付けると、闇討ちは、と興津はささやいた。「かような具合にやるとよろしゅうござる」

藤沢周平著「玄鳥」に収録されている「闇討ち」という短編小説をイメージして描きました。

 

三人の武士は、かつて大迫道場の三羽烏と言われていたが、今は五十半ばで隠居をしている。

友人の一人が、緊迫している藩財政と執政府を二分する暗闘に巻き込まれ、闇討ちを頼まれる

が、しかし闇討ちは失敗し、友人は依頼主からの刺客に止めを刺されて死亡する。

友の亡くなった経緯を調べた二人は、友の骨を拾うべく暗殺を決行するというストーリーなのですが、友情の厚さが端正に書かれていて、藤沢作品の魅力になっています。

 

上の絵は、友の復讐のため暗殺するシーン。

下の絵は、暗殺を依頼された経緯を友人に話すシーンです。