正一 菅信郎 版画2人展「まめほん」 7人のイラストレーターの仕事「かくしごと」 2025

 一昨日はギャラリー2ヶ所に出かけた。その日は冬日で寒いかと思ったけれど、たくさん歩いて結構暑くなり、もう少し薄着で来ればよかったなと思った。

最初に神宮前のペーターズギャラリーで企画展「かくしごと」展に行く。

明治神宮前(原宿)で下車、交差点から東郷神社の前を通り竹下通り入り口を過ぎて行くのだが、土曜日だったせいか、とにかく人が多過ぎてノロノロしかも人を避けながら行かねばならず、中国の観光客はいなくなったが、それ以外の観光客が道を塞ぐし、立ち止まって話をしてるし、ものは食べてるしでイライラがヒートアップだ。

そこから仲御徒町の2人展「まめほん」へ。。。よく歩いた・・。


正一 菅信郎 版画2人展「まめほん」 まめでんきゅう画廊:台東区台東

 

順序としては「かくしごと」展が先なのだが量が多いため、こちらを先に紹介します。

 下町の住宅街の一角にある古い家を改装した「まめでんきゅう画廊」は手前の豆鉢の植木、両開きのガラス戸、良き昭和の時代を物語るようなホッとできる空間で、小さなアートを展示していることが多い。

MJの友人、正一さんと菅さんの2人展「まめほん」の展示にはぴったりの画廊です!ほっこり懐かしい心落ち着く展示でした。

入ってすぐのテーブルの、二人の版画が入っている額はギャラリーオーナーの手作りで、版画の奥のに豆電球が入っていて作品を浮かび上がらせています。左側が正一さんの作品、これは切り絵で作ってみたそうです。右側が菅さんの版画作品、ぼんやりと光る背景に作品が引き立ちますね。

 

正一さんの豆版画は、古い黄ばんだ外国の雑誌にタイプで打った文字の上に、自身の生い立ちや自然、さりげなく日常の些細な場面を切り取っていて秀逸の作品だと思います。

 

菅さんは北海道の田舎で育ち、どことなくおかしみのあるお人柄なので、版画の題材も動物の自然な解釈で成り立っているような、周りに余白があわあわと存在しているような版画でした!

二人の作品集は、縦9センチ、横7センチの小さな可愛らしい「まめほん」でした。


 

 「かくしごと」7人のイラストレーターの仕事 ペーターズギャラリー:渋谷区神宮前 2025.12.12〜24

 

まだ開催中なので是非見て来てほしいです!!

イラストレーの友人、山本祥子さんから頂いたDM、ペーターズギャラリーの企画展で、特に見たかった展示会です。現在活躍しているイラストレーター7人(全員女性です)の、仕事の過程と実際の書籍が1•2階にびっしりと配置してあります。どういうふうに仕事を進めているのか、各人のやり方の推移やラフ案の出し方などとても勉強になりました。

その工程の説明も写して来ましたので、拡大して読んでみてください〜!

ハガキ以外に、ギャラリーが作った作者紹介のパンフレットも置いてありました!

 

山本祥子さんの仕事

山本さんの全ての仕事は絵具で手描きです!手でを動かして実際に絵の具を使って描くことは、山本さんの絵を描くことに対する尊敬と、良い意味でのこだわりと矜持かと思います。

ラフ案は4点、ここまで描き込むかというほどの丁寧さです。どれを選んでも良い絵に仕上がりそうだなあ!

 

アイデアのラフから決定した案に、デザイナーとタイトル位置の相談後、正式なサイズに合わせてラフを作る、しかも2案!これにPhotoshopで彩色のラフ!ここまで丁寧でほぼ出来上がったようなラフ!最終は手描きで描き上げるって、ここまで仕上げるラフで出版社も安心ですよねえ。って今はこんなに精度を求められているのか?

もっとイラストレーターを信用してもいいかと思いますけどね・・。

恩師の峰岸達先生は、ご自分は簡単な鉛筆線画1点でこれで行く、で通ってたそうです。でも時代が違うし、イラストレーターの数が段違いに多い現在、ここまでやらないとダメなんでしょうね。。

 

山本さんの装画で好きだったこの絵↓全身像を描いていたんですね。デザイナーが出来上がった絵を見て触発されたのかもしれないけど、なんか勿体無い感じがするな。

 

丸山一葉さんの仕事

きちんとした絵を描く方が多い中、丸山さんは対象をここまでシンプルにデフォルメさせてしまう。自分はデフォルメが苦手なので、しみじみ見てしまいます。和田誠さんにちょっとタイプが似ているね。

 

はぎのたえこさんの仕事

はぎのさんは当初からオイルパステルで現代を描かれていましたが、時代物が最近は多くなっているようです。

 

最初のラフ表1のみ→2回目ラフ表4まで→最終ラフ。

 

中島梨絵さんの仕事

ものすごく丁寧で綺麗な絵です!レイアウトや描き方にアイデアがあり画集も出されています。

ラフはデジタルですが、もう本番のような出来栄えで、これでラフとは!これからのイアラストレーターにはハードルが高いでしょうね。。でも最近はみんなデジタル世代だからどうってことないのかもしれません。

 

 

彩瀬まるさんのこの本を読んだ時に、個性的でなんて美しい装画なんだ!ってじっと見たのを思い出しました。

 

田中海帆さんの仕事

人物と蜜柑の木を単体でバラバラに描いたものをデザイナーがまとめる形式のやり方でしょうか。表4の蜜柑がバーコードに隠れてちょっと残念です。

 

自分の確認用の大まかなラフとイメージを形にするため写真を撮ってレイアウトしているんですね。

その後ラフ案3点を編集さんとデザイナーに提出、決定後デザイナーからタイトル等が入ったデザインラフを貰って描き始めています。

 

田尻真弓さんの仕事

「三毛猫ホームズ」シリーズ、装画のラフ案4点は彩色してあり構成もきっちりしていて、この中の1点だけが使用なのはいかにも勿体無いと思う。デザイナーの方もそう思わないのでしょうか。前の担当者と絵が被らないように人間本体は出さないという方向で三毛猫のキャラクターを用いたとのこと。田尻さんは猫を飼っていて猫を登場させる装画が多いですよね。Instagramでは猫の練習の絵が沢山あって壮観です。

 

納品がデータなのと時間がない状態だったとのことで、アナログで部分を分けてデジタルで合成したそうです。

デジタルはこんな器用にやってくれるものですね。私も1部分の位置移動やサイズ、表情などものすごく便利で活用していますが、昔は考えられなかったですよね。

 

長田結花さんの仕事

 長田さんはマンガの世界からイラストレーターになった方なので、ラフから仕上げまで全てPhotoshopで乗算レイヤーに重ねて着色する方法で1枚に仕上げる方法を用いているとのことです。最近はデータ納品の際に、全てにレイヤーを分けてほしいという要望があるんですね。そんな展示の仕方でした。