新聞連載「続・お悦さん」1月15日号 12回目 2023

共産党機関紙「しんぶん赤旗日曜版」1月15日号掲載、和田はつ子先生の連載小説「続・お悦さん」12回目です。

 

第二話「産屋泥棒」です。

お悦は五件続けて出産の後産に立ち会う。後産とは赤子が生まれた後に出てくる胞衣(えな)いわゆる胎盤のことをいう。江戸時代はこの後産始末での失敗で後々母親が辛い目に遭うことが多かった。お悦の持つ卓越した技術に頼る人は多く、この日最後の妊婦は難産で衰弱しきっていた。

するとそこに現れたのは・・。