時代物イラストレーション・藤沢周平「蝉しぐれ」から

MJの課題「夏」のテーマで、藤沢周平著「蝉しぐれ」の一場面を描いてみました。

車をひく姿を木立ちの間を通して上から描いてみようと思いました。

 

主人公の文四郎が16歳の時に、藩内の争いに巻き込まれた父が反逆の罪により切腹を命じられた。父の遺骸を乗せた車は重く真夏の暑さに文四郎は喘いでいた。

組屋敷のほうから小走りに駆けてくる幼馴染の13歳のふく、ふくはそばまで来ると車の上の遺体に手を合わせ、歩き出した文四郎に寄り添って棍棒をひいた・・・

 

この場面は小説のはじめ頃で、この二人の将来がどうなっていくのか、悲運と忍苦、友情、淡い恋。少年藩士が成長してゆく姿を描いた作品です。

映画にもなり、あまりにも有名な小説で、時代小説のファンは必ず読んでいることでしょうね。